プリンス・オブ・ウェールズ②

現英国王室のチャールズ皇太子は、

イングランド王位の男性継承者として

初めてこの称号を与えられたエドワード2世から数えて、

21番目のプリンス・オブ・ウェールズです。

叙せられたのは9歳のときですが、

叙任式は20歳を過ぎた1969年7月1日に、

北ウェールズのカナーヴォン城で執り行われました。

エリザベス女王の言葉を借りれば、

「この称号が持つ意義や重要性を

充分に理解できる年齢になった」からでした。

 

さて、では、その意義や重要性とはなんなのでしょう?

式典のなかに、それらを探るヒントが

隠されているかもしれません。


まず叙任式に先立ち、チャールズ皇太子は、

西ウェールズの古都にあるアベラストウィス大学で数ヶ月間、

ウェールズの歴史とウェールズ語を学ばれました。

 

そして式典では、ウェールズ国民を代表してこの大学の学長が

英語とウェールズ語の両方で皇太子に忠誠を表明しました。

曰く、「ウェールズ公国は、その伝統と言語、願望と問題に、

殿下が個人的に関わってくださる時期の到来を待ち望んでまいりました。

そうしてくださるとの信頼と希求のもとに、われらは殿下をお迎えし、

忠誠を宣言いたします」と。

 

チャールズ皇太子も同じく二ヶ国語で返答されました。

ウェールズ語でのスピーチでは、「可能な限りウェールズとともにあることが

わたしの確固とした意向である」とおっしゃっています。

 

こうして見てみると、ウェールズの独自性を保ち、擁護するという役割が

プリンス・オブ・ウェールズには求められているようですね。

 

ただ、このようにウェールズ色の濃いセレモニーになったのは、

現女王のおじ、後のエドワード8世のプリンス・オブ・ウェールズ叙任式から。

カナーヴォン選挙区選出の政治家で後に英国首相にまでのぼりつめた

デイヴィッド・ロイド・ジョージの発案によるものでした。

ウェールズ国粋主義者の感情をなだめると同時に

英国への愛国心を鼓舞するためだったといわれています。

 

それがいまも功を奏しているのか、現在は多くのウェールズ人が王室に好意的。

2003年に北ウェールズで行われたアンケートでは、実に80%もの人が

ウィリアム王子に次のプリンス・オブ・ウェールズになってほしいと答えたそうです。